実家じまいを始めようと思っても、「何から手を付ければいいのか分からない」という方は少なくありません。

家の中には家具や家電だけでなく、通帳や権利関係の書類、家族の写真、形見、物置の中の道具など、簡単には処分できない物も残っています。

さらに、家財を片付けた後には、電気・ガス・水道などの契約や郵便物、売却・解体の予定なども確認しなければなりません。

実家じまいは、単に「家の中を空にする作業」ではありません。

大切なのは、順番を決めて一つずつ確認することです。

この記事では、実家じまいで確認しておきたい項目を段階ごとに解説します。

記事の後半には、そのままスマートフォンで確認したり、印刷して使ったりできるチェックリストも掲載しています。


実家じまいを始める前に、まず家族で方針を決める

実家じまいを始めるとき、最初にやるべきことは家財の処分ではありません。

まず確認したいのは、「誰が判断するのか」と「実家を今後どうするのか」です。

実家の中には、家族それぞれにとって思い入れのある物が残っていることがあります。

自分にとっては不要に見える物でも、兄弟姉妹にとっては残しておきたい物かもしれません。

そのため、片付けを始める前に、

  • 誰が実家じまいの中心になるか
  • 家財について誰に確認する必要があるか
  • 形見や写真をどう分けるか
  • 家を売却するのか
  • 解体するのか
  • 当面そのまま管理するのか

といったことを家族で共有しておくことが大切です。

特に売却や解体の日程がすでに決まっている場合は、「いつまでに家を空ける必要があるか」を最初に確認します。

実家じまいに必要な期間は、家財の量だけでは決まりません。

家族への確認や、残す物を決める時間も含めて予定を立てる必要があります。


所有者や相続関係も片付け前に確認しておく

実家じまいでは、家の中の物だけでなく、建物や土地についても確認が必要です。

特に相続が関係している場合は、

「建物の所有者は誰か」
「土地の名義は誰になっているか」
「相続人は誰か」

といった点を確認しておきます。

家財を整理することと、不動産の名義や相続手続きは別の問題です。

売却や解体を予定している場合、所有関係の確認が済んでいないと次の手続きが進められないこともあります。

そのため、「片付けが終わってから考える」のではなく、実家じまいを始める段階で不動産関係の書類も探しておくと、その後がスムーズです。


重要書類や貴重品は、家財を大量に動かす前に探す

実家じまいで特に注意したいのが、重要書類や貴重品です。

片付けを急ぐあまり、紙類や古いバッグなどをまとめて処分してしまうと、その中に大切な物が混ざっている可能性があります。

先に探しておきたいのは、

  • 預金通帳
  • 印鑑
  • キャッシュカード
  • 現金
  • 貴金属
  • 不動産関係の書類
  • 固定資産税関係の書類
  • 保険証券
  • 年金関係の書類
  • 株式・証券関係の書類
  • 契約書
  • 遺言書

などです。

重要書類は、必ずしも書斎や机の引き出しに保管されているとは限りません。

タンス、仏壇、衣類のポケット、古いバッグ、封筒、缶、箱、本の間などから見つかる場合もあります。

そのため、実家じまいの初期段階では、「紙だから捨てる」「古いバッグだから捨てる」と即決しないことが重要です。

一つずつ中身を確認してから整理しましょう。


形見や思い出の品は、処分と同時に判断しない

実家じまいでは、金銭的な価値とは別に、家族にとって大切な物があります。

たとえば、

  • 写真
  • アルバム
  • 手紙
  • 日記
  • 位牌
  • 仏具
  • 時計
  • 着物
  • 趣味の道具
  • コレクション
  • 親が長年使っていた家具

などです。

こうした物は、その場ですぐに処分を決めると後悔につながることがあります。

判断に迷う場合は、いったん「保留」にする場所を決めておくと進めやすくなります。

ただし、すべてを保留にすると最後に大量の物が残ります。

「家族に写真を送って○日までに決める」
「次に兄弟が集まったときに確認する」

など、判断する期限を決めておくのがポイントです。


家の中は部屋ごとに確認すると抜け漏れが減る

家財整理を始めるときは、家全体を一気に片付けようとすると作業が散らかりやすくなります。

玄関、リビング、キッチン、寝室、和室、洗面所というように、部屋ごとに進める方法がおすすめです。

特に注意したいのが収納です。

押し入れ、天袋、床下収納、ベッドの下、タンスの奥、洗面台の下などには、長年使っていない物が残っていることがあります。

一見すると空になったように見える部屋でも、収納の中には物が残っているケースがあります。

実家じまいの最後には、「部屋を見る」だけではなく、「収納をすべて開けて確認する」と考えておきましょう。


キッチンは食品だけでなく収納の奥まで確認する

キッチンは、実家じまいで意外と時間がかかりやすい場所です。

食器、鍋、調理器具、保存容器、食品、調味料など、小さな物が多く残っています。

特に注意したいのが、冷蔵庫や冷凍庫です。

片付けの日まで使用している場合、中身が最後まで残ることがあります。

冷蔵庫を処分する予定がある場合は、中身を空にする時期や電源を切る時期も考えておく必要があります。

また、床下収納や食器棚の奥など、普段目につきにくい場所も確認しましょう。


物置・車庫・庭は、室内とは別に確認する

一戸建ての実家じまいで忘れやすいのが、屋外に残っている物です。

家の中がほぼ片付いていても、物置を開けたら大量の物が残っていたというケースがあります。

物置や車庫には、

  • タイヤ
  • 工具
  • 園芸用品
  • 除雪用品
  • 自転車
  • 車用品
  • キャンプ用品
  • 古い家電
  • 廃材
  • スプレー缶
  • 塗料

などが残っていることがあります。

室内とは処分方法が異なる物もあるため、早めに中身を確認しておくことが大切です。

庭についても、植木鉢、物干し台、ホース、脚立、屋外家具などを見落とさないようにします。

実家じまいの家財量を考えるときは、間取りだけではなく、物置・車庫・庭まで含めて確認しましょう。


見積もりや相談前には「家全体が分かる写真」を撮っておく

実家じまいを事業者へ相談する場合は、家の状況が分かる写真を撮っておくと話が進めやすくなります。

このとき、家具や家電を一つずつアップで撮影するより、まずは部屋全体が分かる写真を撮ることが大切です。

たとえば、

  • 建物の外観
  • 各部屋の全体
  • キッチン
  • 押し入れや納戸
  • 物置の中
  • 車庫
  • 大型家具・大型家電
  • 階段
  • 玄関や搬出経路

などを撮影します。

特に家財の量や搬出のしやすさが分かる写真があると、状況を伝えやすくなります。

相談するときには写真だけでなく、

「4LDKの一戸建て」
「物置が1か所ある」
「○月末までに片付けたい」

といった情報も一緒に伝えると、より具体的な段取りを相談できます。


片付け当日までに「残す物」を明確にしておく

片付けの日程が決まったら、当日までに残す物と処分する物をできるだけ分けておきます。

特に重要なのは、残す物を誰が見ても分かる状態にすることです。

別の部屋へ移す、付箋を付ける、箱にまとめるなど、明確に区別しておきましょう。

また、

  • 家族が引き取る物
  • 重要書類
  • 現金や貴重品
  • 形見

などは、可能であれば事前に家から移しておくと安心です。

片付け当日にその場で大量の判断をしようとすると、作業が止まりやすくなります。

できるだけ判断は前日までに済ませておくことが大切です。


ライフラインは、片付けが終わったからといってすぐ止めない

家財がなくなった後は、電気・ガス・水道などの契約も整理していきます。

ただし、片付けが終わった瞬間にすべて停止すればよいとは限りません。

その後に清掃を行ったり、売却前の内覧があったり、解体まで期間が空いたりする場合は、電気や水道を使用することがあります。

そのため、

  • 電気
  • ガス
  • 水道
  • 固定電話
  • インターネット
  • 新聞
  • ケーブルテレビ
  • 警備サービス
  • 定期購入サービス

などを一覧にし、いつ停止するかを決めていきます。

家の今後の予定と合わせて考えることが重要です。


郵便物は、残っている契約を見つける手がかりになる

実家を空にした後も、郵便物が届き続けることがあります。

郵便物には、銀行、保険会社、行政、通販会社などからの重要な通知が含まれていることがあります。

また、家族が把握していなかった契約が、届いた郵便物から分かることもあります。

実家じまいを進める際は、郵便物の転送手続きだけでなく、

「どこから、どんな郵便物が届いているか」

も確認しておきましょう。


家が空になったら、室内・屋外・鍵まで最終確認する

家財の搬出が終わったら、最後に家全体を確認します。

室内では、

  • 押し入れ
  • 天袋
  • 床下収納
  • キッチン収納
  • 洗面台収納
  • ベランダ

などを確認します。

一戸建ての場合は、物置、車庫、庭、家の裏側も忘れずに見ておきましょう。

さらに、

  • 残す予定だった物が手元にあるか
  • 重要書類を確保したか
  • 貴重品を確保したか
  • 鍵を誰が持つのか
  • 売却や解体の次の日程は決まっているか

まで確認できれば、実家じまいの一区切りとなります。


実家じまいチェックリスト一覧

ここからは、実際にスマートフォンや印刷で使えるよう、確認項目だけを一覧にまとめます。

1.実家じまい開始前

□ 家族・親族に実家じまいを始めることを共有した
□ 誰が中心になって進めるか決めた
□ 家財について確認が必要な家族を整理した
□ 家族が引き取りたい物を確認した
□ 形見や写真の扱いを相談した
□ 建物の所有者を確認した
□ 土地の所有者を確認した
□ 相続人を確認した
□ 売却予定を確認した
□ 解体予定を確認した
□ 家を空ける期限を確認した

2.重要書類・貴重品

□ 預金通帳
□ 印鑑
□ キャッシュカード
□ 現金
□ 貴金属・宝飾品
□ 不動産関係書類
□ 固定資産税関係書類
□ 保険関係書類
□ 年金関係書類
□ 株式・証券関係書類
□ 契約書
□ 遺言書
□ 自動車関係書類
□ 家や物置の鍵

3.形見・思い出の品

□ 写真
□ アルバム
□ 手紙
□ 日記
□ 位牌
□ 仏具
□ 遺影
□ 時計・アクセサリー
□ 着物
□ 趣味の品
□ コレクション
□ 家族が残したい家具

4.家の中

□ 玄関
□ 靴箱
□ リビング
□ キッチン
□ 冷蔵庫・冷凍庫
□ 食器棚
□ 寝室
□ タンス
□ 押し入れ
□ 天袋
□ 床下収納
□ 洗面所
□ 浴室
□ トイレ
□ 納戸
□ 廊下収納
□ ベランダ

5.物置・車庫・屋外

□ 物置
□ 車庫
□ タイヤ
□ 工具
□ 園芸用品
□ 除雪用品
□ 自転車
□ 車用品
□ スプレー缶
□ 塗料
□ 植木鉢
□ 物干し台
□ ホース
□ 脚立
□ 家の裏側

6.見積もり・相談前の写真

□ 建物の外観
□ 各部屋の全体
□ キッチン
□ 大型家具・家電
□ 押し入れ・納戸
□ 物置の中
□ 車庫
□ 庭
□ 階段
□ 玄関
□ 搬出経路

7.片付け当日まで

□ 残す物を分けた
□ 家族が引き取る物を分けた
□ 重要書類を移動した
□ 貴重品を移動した
□ 冷蔵庫の中身を確認した
□ 物置・車庫を確認した
□ 鍵の場所を確認した
□ 家族への最終確認を済ませた
□ 当日の立ち会い方法を確認した

8.ライフライン・契約

□ 電気
□ ガス
□ 水道
□ 固定電話
□ インターネット
□ NHKなどの契約
□ 新聞
□ ケーブルテレビ
□ 警備サービス
□ 定期購入
□ 住まいに関する保険

9.郵便・住所関係

□ 郵便物の転送を確認した
□ 銀行などの登録住所を確認した
□ 保険会社の登録住所を確認した
□ 通販・定期購入の住所を確認した
□ 行政からの通知先を確認した

10.家が空になった後

□ 各部屋を確認した
□ 収納をすべて開けて確認した
□ 物置を確認した
□ 車庫を確認した
□ 庭を確認した
□ 家の裏側を確認した
□ 残す物を確保した
□ 重要書類を確保した
□ 貴重品を確保した
□ 鍵の引き渡しを確認した
□ ライフラインの予定を確認した
□ 売却・解体など次の予定を確認した


チェックしても判断できない項目がある場合は

実家じまいでは、チェックリストを確認しても、

「この物はどうすればいいのか」
「家財が多すぎて自分たちで片付けられるか分からない」
「期限までに終わるか判断できない」

ということがあります。

その場合は、無理にすべてを決めてから相談する必要はありません。

家全体が分かる写真と、

  • 家の間取り
  • 物置や車庫の有無
  • 希望する時期
  • 売却・解体などの期限

をLINEで送っていただくと、現在の状況を確認しながら段取りを相談しやすくなります。

実家じまいは、「全部決めてから始める」のではなく、まず状況を整理することから始めると進めやすくなります。

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